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高画質とIPネットワークが切り拓く、未来の医療

挑戦

    院内の映像データを一元管理・活用する、新たな映像ソリューション

    ソニーは1980年代から、放送局ビジネスなどで培った映像技術やエレクトロニクス分野の技術を生かし、検査室で使用するプリンターから始まり、手術室で使われるモニターやカメラ、記録装置など、医療現場をサポートする映像ソリューションを提供してきました。2013年にはオリンパスとの合弁会社、ソニー・オリンパスメディカルソリューションズ株式会社を設立し、4K内視鏡、さらには4K3Dの高精細デジタル画像を実現する手術用ビデオ顕微鏡を販売。撮影した組織や血管の微細な構造を、高精細かつ立体的に大型モニターに表示することで緻密な手術をサポートするなど、医療分野での取り組みを加速させています。

    近年、患者の負担を軽減できる内視鏡を用いた腹腔鏡手術やヘッズアップサージェリーといわれるモニター映像を利用した手術が急速に普及しています。こうした手術は、モニターに拡大表示された手術部位の映像を執刀医と助手が見ながら行われるため、肉眼ではとらえられないようなディテールまでもが映像に求められます。また、内視鏡や外科用顕微鏡などで撮影・収録した映像以外にも、開胸・開腹手術などで手術部位を撮影する術野カメラの映像が学会発表や教育用途に活用されるなど、医療現場における映像の重要性はますます高まっています。

    こうした医療業界の潮流に合わせて、ソニービジネスソリューションでは2019年9月に院内の多様な機器の映像データをIPネットワークでつなぎリアルタイムに一元管理・活用できる「NUCLeUS(ニュークリアス)」を販売。欧州ではすでに先行導入され、今後国内の医療現場での活用が期待されています。この「NUCLeUS」の国内導入の背景や医療における映像データの利活用についてご紹介します。

    増大する医療スタッフの作業を軽減し、院内ワークフローを効率化

    高齢化が進む日本では患者数が増加する一方で、多くの病院が収益面での課題を抱えており、医療スタッフのマネジメントも含めて経営の効率化が迫られています。さらに医療技術の進歩にともない、手術室には内視鏡や外科用顕微鏡、4Kカメラ、3D対応の4Kモニター・レコーダーなど、さまざまな医療映像機器が混在しています。こうした院内システムの多様化・複雑化によって、手術前に本来の医療行為ではない機器の接続や設定作業に医療スタッフの手間や時間が取られ、業務を効率化する足かせにもなっています。また、現場の医師からは「記録した手術映像を学会発表や教育用に簡単に編集したい」「院内に分散している映像データを一括管理したい」などの要望もありました。そこでソニーでは、複雑化する医療映像機器をより簡単に設定することで、手術準備にかかる負担を軽減するとともに、増え続ける映像データを効率的に管理できる医療ソリューションを提供できないかと検討を重ねてきました。

    リアルタイムな映像共有や外部連携で、より安全性の高い手術をサポート

    こうした医療現場のニーズに応えるために構築されたのが、手術室を含む院内のさまざまな機器からの映像データをIPネットワーク経由で一元管理・活用できる映像プラットフォーム「NUCLeUS」です。医療現場へスムーズに導入できるように、手術室向けの映像管理ソフトウェアの開発を手掛ける世界有数の医療映像ソリューションプロバイダーであるeSATURNUS社のソフトウェア技術とソニーが映像分野で培ってきたIP技術を掛け合わせることで、信頼性の高いプラットフォームを構築。手術映像の記録や管理はもちろん、IPネットワーク経由で手術室内外のどこからでもリアルタイムに映像を共有でき、医局や会議室とつなげて若手医師のトレーニングにも活用できます。さらに、手術中に手術室外にいる指導医や別の病院にいる医師からアドバイスを得たりするなどの双方向のコミュニケーションも可能です。

    また、医療現場において映像伝送の遅延は医療事故につながるため伝送のリアルタイム性が求められます。「NUCLeUS」は、ソニーがこれまで培った映像技術を結集し、高画質4K映像でも低遅延で伝送できるソニー独自のLLVC(Low Latency Video Codec)を採用。さらに、手術室で使用される電気メスからのノイズがモニター上にのったり、場合によってはモニター映像が消えてしまうことも考えられたため、院内の特殊環境下にも順応させた技術を搭載しました。

    今年9月に国内での販売を開始した「NUCLeUS」ですが、欧州では複数の病院ですでに導入され、50室以上もの手術室を備えた大型施設などでも稼働しています。

    AIや画像解析など未来の医療ニーズに応える、進化するプラットフォーム

    「NUCLeUS」は、さまざまな医療映像機器との接続が非常に容易なことに加えて、今後導入が見込まれる最新の映像機器にも対応が可能なため、将来にわたって陳腐化せず、常に現場の運用に合わせたシステム構築ができます。また、ソフトウェアベースのオープンプラットフォームを採用していますので、自社だけでなく、他社で開発されたソフトウェアを組み込むことも可能です。新たなハードウェアを追加することなく、AIや画像解析ソフトウェアを追加するだけで、常に最先端の技術が利用できます。例えば、画像解析技術を活用し、がんの領域をリアルタイムでモニターに表示したり、患者データをAIで分析することで、一人ひとりに合わせて手術のアプローチを最適化させるなど、より安全で効率的な医療をサポートできる可能性も備えています。

    将来的には、「NUCLeUS」という次世代型のイメージングプラットフォームが、映像と映像以外のさまざまな医療データを組み合わせた臨床データをリアルタイムに解析することも視野に入れて、院内のワークフローを革新するだけでなく、病院経営の改善や新たな医療価値の創出につながるプラットフォームになれるよう、これからも医療現場を支援していきます。

    腹腔鏡手術が主流になっている消化器科だけでなく、これまで顕微鏡を使っていた眼科や脳外科でもモニターを用いた手術が徐々に浸透し、どの診療科にもデジタル化の波は押し寄せています。こうした業界の変化に応じ、お客さまと一緒に現場での使いやすさを徹底的に考えながら、さまざまな医療機器やソフトウェアを柔軟に使えるプラットフォームの提供を目指しました。すでに導入された欧州の病院関係者からは、「NUCLeUS」により医療機器を統一的に運用でき、「手術の準備を効率化できた」「若手医師の教育時間を大幅に短縮できた」などの声をいただいております。経営者側からは、施設に合わせて機能を最適化でき、将来も進化し続けるシステムである点が高く評価され、今後国内での導入にも期待が高まっています。
    また、ソニーのメディカル事業がCEATE2019で初めて紹介され、大きな反響がありました。医療事業はソニーグループの注力領域のひとつになっていますので、その期待に応えられるよう引き続き頑張っていきたいと思います。

    ソニービジネスソリューション株式会社 中村(マーケティング・プロモーション担当)

    この先、医療業界では4K映像など高解像度化がさらに進み、さまざまな映像機器が導入されていくと思います。しかし、手術室内の機材が複雑化することで準備に時間がかかり、それに伴って導入時のトレーニングなどの教育コストも上昇しています。医師や看護師も少なくなってきている現状をふまえると、医療従事者の負担を少しでも軽減させ、より安全に医療機器を使えるシステムは必要不可欠であり、こうしたシステムをお客さまにご提供することが我々の使命だと日々痛感しています。さらに、さまざまな病院を訪問していると、ソニーのエンタテインメント領域の技術で、何か患者に元気を与えるようなことができないかと聞かれることもあります。こうした期待に応えるためにも、ソニーらしい医療ソリューションをご提案し、これからの医療の進歩に少しでも貢献できれば幸いです。

    ソニービジネスソリューション株式会社 江畑(営業技術担当)

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