1. ホーム>
  2. 事例紹介>
  3. 日本テレビ放送網株式会社様

日本テレビ放送網株式会社 様

2016年7月現在

PDFダウンロード

ファイルベースワークフロー ニュースや情報番組を支えるCVセンターをテープからファイルへ全面リニューアル 完全ファイルベース化で膨大なコンテンツを効率的に管理 日本テレビ放送網株式会社 様
CVセンター

CVセンター

従来、放送局内において映像・音声素材は主にテープによって運用されていましたが、昨今はファイルデータで扱うノンリニア※1 編集が主流になりつつあり、テープとファイルデータが混在しているのが現状でした。日本テレビ放送網株式会社様では、地上波およびBS/CS放送のニュース系生番組の収録・編集・送出業務を行っているCVセンター※2 をリニューアルするにあたり、従来の環境を全面的にノンリニア編集システムに見直し、完全ファイルベース※3 化を実現しました。完全ファイルベース化にあたり、編集業務はどのように変わったのか、ソニーがどのような役割を果たしたのか等について、関係者の皆さまにお話を伺いました。

"次世代の映像編集"を見据えノンリニアへの全面移行を決断

日本テレビ放送網株式会社 技術統括局 コンテンツ技術運用部長 窪川 直毅 氏

日本テレビ放送網株式会社 技術統括局
コンテンツ技術運用部長 窪川 直毅氏

日本テレビ放送網株式会社 技術統括局 コンテンツ技術運用部 主任 小倉 徹 氏

日本テレビ放送網株式会社 技術統括局
コンテンツ技術運用部 主任 小倉 徹氏

《窪川氏》 CVセンターでは「NEWS ZERO」「真相報道バンキシャ!」「日テレNEWS24」「news every.」など、皆さんおなじみのニュース/情報番組で流れる映像素材の収録・編集・送出業務を行っています。2004年に本社が現在の場所へ移転してから稼働していますが、テープとファイルデータの機材が混在しているため、編集はあくまで従来通りのテープを中心に行っていました。
テープは信頼性に優れていますが、複数の人が使う場合はダビングしたり、物理的に移動する必要があったりと、何かと人の手がかかるデメリットがあります。一方、ファイルデータは、使い始めた当初は、データゆえの不安定さを懸念していましたが、欲しいシーンだけを簡単にチョイスでき複数の人間が同時に使うことができる等、テープにはない大きな魅力がありました。VTR製品が終息に向かいつつある今、将来を見据えファイルデータをベースにしたノンリニアに統一すべきだと感じていました。
《小倉氏》 そんな折、VTR素材などの問題から現状のアーカイブの仕組みを見直さなければならない機会があり、編集・アーカイブを含めたファイルベース化の社内プロジェクトを立ち上げました。それまでのアーカイブでは、VTR素材を保管庫で保存・管理し、二次利用の場合にもそのテープを貸し出していました。そのため、テープでは保管に膨大なスペースが必要でした。しかし、素材をファイル化することで、テープが不要になり、スペースの問題を解決することができます。さらに、必要な映像を検索しやすくなり、映像に関する取材日や取材内容などの正確な情報を付与することで安心して映像を活用できるメリットが見込めました。このような大規模の全面ファイルベース化はまだ前例がなかったため、はじめは危惧する人もいましたが、徐々に社内で理解を広げ実現までこぎつけることができました。

番組制作について熟知したソニーだからこそできる運用者目線の提案

日本テレビ放送網株式会社 技術統括局 コンテンツ技術運用部 主任 平野 実 氏

日本テレビ放送網株式会社 技術統括局
コンテンツ技術運用部 主任 平野 実氏

電子化された進行表

電子化された進行表

《窪川氏》 その後、ノンリニア編集システムとアーカイブシステムについて提案を要望し、数社から提案が寄せられた中で最終的にソニーへお願いすることに決めました。ソニーはやはり放送関係の実績が豊富で、放送のこと、番組制作のことをよく知っています。私たちが細かく説明しなくても意図が通じるし、先を見越した的確な提案が出てくる点が素晴らしいポイントでした。
《ソニー 酒井》 かなり大がかりなシステムですので、入念に打ち合わせを重ね仕様を詰めていきました。ソニーとしても、今回のように全部ファイルでワークフローを完成する案件は初めての経験でしたので、素材から編集、アーカイブまでの作業の流れを、従来のテープ素材とファイル素材の混在状況から、ファイル中心の流れに変えるべく、お客さまと一緒に、どういうフローにすべきかを話し合い、それを元に仕組みを考えました。最終的には現場の方が安心して使えるシステムを目指しました。ファイルベース化のメリットを最大限生かしつつ、現場の映像素材を扱う人への配慮をした提案をすることができたと思います。
《平野氏》 提案は運用者としての目線からも評価しました。ソニーは放送業界のワークフローやオペレーションにも詳しいため、細かい要望についても詳細に検討いただき、現実の運用に即した提案をしていただけたと思います。
具体的な例では、進行を管理するホワイトボードもファイル化したいと要望をお伝えしました。従来、ニュース番組の素材編集を行う時にはフロアにホワイトボードを用意し、状況を手書きすることでスタッフが情報を共有していました。ホワイトボードはいつでも書き込み・修正ができる反面、編集した映像を送出するサブルームへの伝達手段はメモや電話など人の手を介さざるを得ず、ミスが発生することもありました。
《ソニー 楊》 ご要望を伺って、技術担当者がホワイトボードの前に張りつき、実際にどのような人がどのような内容を書き込み、どのタイミングで誰が見ているのかを徹底的に調べました。さらにホワイトボードではできなかった「進捗状況が逐次分かる」「出来上がる映像の構成尺の詳細が分かる」といった新しい仕組みを入れながら具体的な仕様を作り上げていきました。
《平野氏》 実際に運用がはじまってファイル化された進行表はたいへん好評です。メモを持って走る人もいなくなりましたし、ミスも少なくなったと実感しています。

既存システムを止めずに新システム化する9カ月がかりの移行計画

ソニーで同じ環境を構築して検証

ソニーで同じ環境を構築して検証

CVセンター内の様子

CVセンター内の様子

《窪川氏》 プロジェクトは2012年にスタートし、2015年6月から実際の運用を開始しています。一番の難所となったのが、旧システムを動かしながら、新システムへ移行しなければならなかったことです。CVセンターでは百数十名のスタッフが業務を行っています。また、機材を置くスペースも限定されていました。しかし、当然、放送を止めることはできません。限られた期間で業務を妨げることなく、スムーズな移行ができるよう計画する必要がありました。
《ソニー 酒井》 放送業界では放送に影響を与えてしまうような重要なシステムトラブルは絶対に許されません。そのためソニーの厚木テクノロジーセンター内に電源の配置や機材どうしの距離などCVセンターで組み上げるものとまったく同じ環境を構築し、実際の作業内容や作業人数と同じ負荷をかけてテストを行いました。
《ソニー 楊》 今回は設計を極力シンプルにすることで、小さな単位で旧システムと新システムが入れ替えられるようにシステム設計をしています。新旧の入れ替えはもちろん、複数の障害が同時に起こっても重大な事故につながらないように、電源喪失や機材の故障なども想定したテストを徹底的に行っています。テスト項目は最終的に約25,000項目に及びました。移行の際は実際に少しずつ機材を入れ替え、約9カ月かけて移行を実現しています。
《窪川氏》 入念にテストされたものが納品されるためソニーには非常に安心感があります。今回は、段階的に移行することが実現できたので、スタッフにも新しい仕組みを習熟してもらう時間が取れ、大変スムーズに移行を進めてもらうことができました。
《ソニー 酒井》 システム稼働当初は入念に検証を行っていても緊張感が高くなる状況もありましたが、放送局のシステムを手がけるに際し、トラブルでも運用を止めない、翌日まで引きずらない、を常に心がけ、必ず当日のうちに暫定的にでも復旧させる方針でやってきました。今回のシステムは非常に安定していて、当社としても、大変スムーズな移行ができたと感じています。

現場に評価されるシステムで番組制作にかけられる時間も増加

写真右から 日本テレビ放送網株式会社 平野氏/小倉氏/窪川氏 ソニービジネスソリューション株式会社 酒井/楊/大芝

写真右から 日本テレビ放送網株式会社 平野氏/小倉氏/窪川氏
ソニービジネスソリューション株式会社 酒井/楊/大芝

《平野氏》 CVセンターが運用を開始して約1年が経ちましたが、ファイルベース化によって、業務は大幅に効率化されました。編集時間は従来の70~80%に削減できた感触です。その分、現場では映像のクオリティアップにより時間をかけられるようになり、番組の質の向上にも影響を与えることができたと思います。
《小倉氏》 長いプロジェクトを進める中で、難しい要望や交渉もあったかと思いますが、放送業界特有の言語が通じるためスムーズにやり取りをすることができました。どうしても細かな仕様の詰めになってくると担当者のセンスに頼る部分が多くなりますが、今回のプロジェクトのメンバーはセンスが良く、皆が満足できるものを作ってくれました。
今回のシステム導入は当社におけるファイルベース化のモデルケースとなりました。社内にはCVセンター以外にも映像を編集する部門があるため、彼らの業務の効率化にも貢献できたらいいですね。
《窪川氏》 現場から評価が高いシステムを構築することができました。システムを使い込むにつれて新しい要望もいろいろ上がってくると思いますので、よりよい番組制作のために今後ともぜひご協力いただければと思います。
《ソニー 大芝》 皆さまからいただいたご要望を真摯に受け止め、弊社システム設計担当・保守担当と共に安定した運用が可能な、より良いシステムをご提供できるよう努めてまいります。

  • ※1 ノンリニア:"非直線的"の意。ファイルデータでは映像の好きな部分を好きな長さで取り出して編集できることから。対してテープによる編集は早送りや巻き戻しが必要となるため、リニア(直線的)と呼ぶ。
  • ※2 CVセンター:Compact Videoセンターの略。
  • ※3 ファイルベース:ビデオカメラで撮影した映像をファイルで保存し、その後の編集処理もPCを利用。最終的な出力までファイルデータをベースに行うこと。

導入機器・システム

  • XDCAMプロフェッショナルメディアステーション「XDCAM Station」
  • マルチフォーマットノンリニア制作システム

ソニービジネスソリューションの放送ソリューションのご紹介はこちら

ソリューションに関するお問い合わせ
メニューを閉じる