1. ソニービジネスソリューション株式会社>
  2. 事例紹介>
  3. 株式会社フジ・メディア・テクノロジー 様

株式会社フジ・メディア・テクノロジー 様

2017年3月現在

PDFダウンロード

スポーツ中継で活躍する4K/HD大型中継車を導入 4Kを意識せずに4Kができる中継車を実現 株式会社フジ・メディア・テクノロジー 様
株式会社フジ・メディア・テクノロジー
フジテレビ系列制作会社、フジ・メディア・テクノロジーではソニーの4K対応機器のリリースタイミングに合わせ、2016年9月、4K/HDの双方に対応した大型中継車を導入し、プロ野球や大学野球、Jリーグ、プロバスケットボールリーグを始めとしたスポーツ中継で活用しています。カメラ・スイッチャーなど、全て4K映像制作に対応した機器を採用することで、従来のHD映像制作と同様のスキームで4K映像制作が可能となりました。
4K/HD対応大型中継車「FR4k」の制作にあたって、どのような課題があったのか、中継車の可能性がどのように広がるのか、またソニーがどのような役割を果たしたのか等、関係者の皆さまにお話を伺いました。

ソニーの新機材リリースをきっかけに
次世代の放送に対応する4K 中継車構築を計画

株式会社フジ・メディア・テクノロジー 制作技術センター制作技術部 部長 田原 健二氏

株式会社フジ・メディア・テクノロジー
制作技術センター制作技術部 部長 田原 健二氏

《田原氏》 既設の中継車更新を控えているタイミングとソニーが4K対応の製品をリリースするタイミングとが重なり、本格的な4K対応の中継車の第一号へ向けたチャレンジが始まりました。4Kをネイティブで中継できるという意味では、弊社初の計画になります。複数の放送局で4Kのチャンネルを立ち上げる計画があり、4Kの中継需要が増えるチャンスもあり絶好のタイミングでした。
《古谷氏》 具体的には、ソニーの4K/HD対応カメラシステムHDC-4300や4K/HD対応スイッチャーXVS-8000のリリースタイミングが合ったことが大きいですね。この2つが揃えば、完全に4Kをベースにした中継車ができます。もっと言えば、これらの新製品がなければ、このプロジェクトそのものが実現できなかったと思います。

10パターン以上のレイアウトを検討。重量制限とスペースの確保の問題をクリア

株式会社フジ・メディア・テクノロジー 制作技術センター制作技術部 古谷 真治氏

株式会社フジ・メディア・テクノロジー
制作技術センター制作技術部 古谷 真治氏

《古谷氏》 4Kで中継車をつくろうとする場合、1信号系統につき、ベースバンド信号ならば同軸ケーブルが4本(HDは同軸ケーブル1本)必要となるため、HD中継車と比較すると、システム構築に大量のケーブルが必要となります。その一方で、車体の総重量は、道路交通法上の重量制限となる20トン未満に収めなくてはなりません。さらに、中継先の駐車スペースなどの状況を踏まえると、車体の全長は10メートル以内に抑えるよう設計したいと考えていました。一方で、制作室には7~8名、VE卓には3~5名、合計で最大13名を収容する必要があります。そのため、機材の重量制限と同時に、制作スペースを確保することが大きな課題でした。
車内のレイアウトに際しては、これまでの中継車運用で現場から挙がってきた改善点を細かく反映させていきました。我々の要望をまとめて、ソニーだけでなく、車体設計会社も交えてディスカッションをし、10パターン以上のレイアウト案を検討しました。重量を意識しながら中継車に搭載する機器を選定し、既設の中継車でも採用していた車両の拡幅機能を実装することで、作業スペースを確保できる最適な設計にできました。豊富な中継車制作経験を持つソニーのノウハウもご提供いただき、我々の要望を叶えるレイアウトを実現することができました。
《ソニー高橋》 機材選定後、計画されたレイアウトに合わせて実際のシステムを構築していきました。当社としても4Kをベースとした中継車のシステム構築はこれが初めての経験でした。このプロジェクト以降、他の4K中継車も手掛けていますが、この「FR4k」での経験がすべての4K中継車のベースになっています。非常に学びが多いプロジェクトで、他のプロジェクトを経るごとに、今回のやり方がベストな設計だったと自負しております。

「4Kを意識しないで4Kができる」中継車をコンセプトに

駐車時に車幅が拡幅することでスペースを確保

駐車時に車幅が拡幅することでスペースを確保

社内に最大13 名収容できる小さな放送局に

車内に最大13 名収容できる小さな放送局に

《田原氏》 今回もっともコアになったコンセプトは、「4Kを意識しないで4K中継ができる」ということです。今までのHDと同じスタッフ、同じ準備時間で4K制作ができること。新たなトレーニングやセッティングなど、特別なことは考えなくても4K中継ができること。これらが実現できれば、4K中継を当たり前のものにすることができます。このコンセプトはほぼ実現できたと思います。
《古谷氏》 これまでの4Kカメラは、主に映画撮影等を目的に作られたカメラで、被写界深度が浅く、多くのアダプターが必要でセッティングに時間がかかるなど、スポーツ中継の現場ではあまり使い勝手のよいものではありませんでした。今回導入したHDC-4300は、今までの中継車で使っていたHDカメラと操作性やセッティングに要する時間がほぼ変わらないため、現場のカメラマンも4Kであることを意識せずに準備・撮影することが可能となりました。さらに、周辺機器やアクセサリーも互換性が高いため、これまで使っていたカメラレンズやビューファインダーなどの所有資産を活かすことができます。実際に運用が始まっていますが、現場の評判は非常に良好です。
今まで、4K中継はハードルが高いという印象でした。ケーブルの配線が多く、HD用と4K用の機器が混在しているため特別な設定が必要で、仮設で環境を作っているというイメージでした。例えば、サッカーを4Kで中継しようとすると、前日入りは当たり前でした。この中継車ができて、4Kのために特別なセッティングをする必要がなくなり、HDのころと同じように当日入りで準備ができるようになりました。4K中継のハードルが大きく下がりましたね。

世界標準のソニーなら世界に通用する中継車になれる

4Kの機材収納のため綿密な計画で張り巡らされた配線

4Kの機材収納のため
綿密な計画で張り巡らされた配線

《古谷氏》 ソニーの機材は、世界の標準としての信頼感があります。海外から仕事の依頼があった場合でも、ソニー製の最新機種が搭載されていると非常に信頼が得られやすいです。また、ソニーはサポート体制もしっかりしているので安心して導入できています。
《ソニー肥後》 機器の選定に際して、お客さまから「この先、新しいカメラ等の製品が出てくるのではないか」という不安の声がありました。これを払拭するため、リースで機材導入するなどファイナンス面でのご提案も差し上げました。将来、新製品がでてきた際に、一部の機材を柔軟に入れ替えることができるようなご契約にすることで、4KやHDRといった新しい映像技術が浸透する過渡期という状況の中でも、ご安心いただけるように配慮しました。
《古谷氏》 確かに、もっといい製品があとから出てくるのではないかという不安を抱えるメンバーもいました。リースでの契約は当社としても初めての契約方式でしたが、社内を説得する良い材料になりました。

4Kが当たり前の時代に向けて

写真右から株式会社フジ・メディア・テクノロジー 古谷氏/田原氏 ソニービジネスソリューション株式会社 肥後/高橋

写真右から
株式会社フジ・メディア・テクノロジー
古谷氏/田原氏
ソニービジネスソリューション株式会社
肥後/高橋

《古谷氏》 民放をはじめとする放送、ライブ配信、スポーツ中継、インターネット配信など4Kの需要は広がることが予想されます。実際にライブ映像などは4Kで録っておけば、将来あらゆる方法で配信ができるため、とりあえず4Kでやろうという判断になりやすい現状です。市場全体を見渡しても、4Kで収録したい時にまだまだ中継車の選択肢は多くはないため、今回の中継車導入でビジネスチャンスが広がっていると思います。
ソニーにはぜひこのまま世界標準を突っ走ってほしいと思います。世界標準を引っ張っていただければ、それを入れていればうちの車は大丈夫という安心感がありますし、当社のクライアントもご納得いただける材料になり続けると思います。
《田原氏》 ソニーには、引き続き変わらず手厚いサポートがいただけるとありがたいです。コンテンツを作り続けていくうえで、ソニーとは切っても切り離せない関係です。我々もよいコンテンツを作り続けるために、設備にはどんどん投資していきます。今回のプロジェクトで一緒に苦労をしてきたように、また一緒に苦労できればと思います。
《ソニー肥後》 今後とも長いお付き合いができますよう、新しい製品やソリューションを引き続きご提案させていただきます。よろしくお願いいたします。

ソニービジネスソリューションの放送ソリューションのご紹介はこちら

ソリューションに関するお問い合わせ